すずき小児科・アレルギー科

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最新の新型コロナウイルス研究のまとめ(2020年8月)

こんにちは。横浜市旭区二俣川にあります、すずき小児科・アレルギー科です。

新型コロナウイルス感染症について、様々な論文が日々発表されています。まだまだ検討すべき課題は沢山ありますが、信頼性のある日本国内・海外の報告を色々調べて、まとめてみました。

 

☆子どもはどこから感染するの?☆

主な感染源は同居家族です。症状が出る前から感染力を持つため、ご家庭でも日常的な感染予防策を行う事が感染予防に重要です。

 

☆子どもが感染すると、症状は?☆

新型コロナウイルスに感染してからの経過は、概ね以下の6パターンに分けられるようです。
1)ずっと全く無症状(PCR陽性という情報がなければ気づけない)
2)発熱、風邪症状が1〜3日あるものの、その後は軽快してしまい、普通の風邪とまったく区別がつかない

3)発熱、ぐったりのみで、咳や鼻水を伴わない(乳児で多い)
4)発熱、風邪症状で始まり、徐々に咳・呼吸困難が悪化して肺炎になる
5)いきなり呼吸不全になる(感染はその1週間くらい前で、初期症状に乏しく経過した可能性あり)
6)味覚・嗅覚障害のみ(欧州で流行しているものに多く、女性に多い)

PCR検査数が増えてからも、これまでの報告通り、子どもの大半は症状が無いか、軽症で、上記の1)〜3)のパターンが多いです。

他のウイルスや細菌との混合感染(2種類以上のウイルスや細菌に同時に感染すること)も時にあり、特にインフルエンザBと混合感染すると症状が重くなる可能性があるため、冬に向けて注意が必要です。乳幼児には新型コロナウイルスよりも重い症状を起こしやすい、RSウイルスにも引き続き注意が必要だと思います。

 

☆家庭内感染予防策はどうしたらよいの?☆

家庭内感染では、大人が子どもにうつすことが多いので、大人が家庭内に持ち込まないように気をつけましょう。

最も周囲への感染リスクが高まるのは症状が出る前なので、症状が無くても、普段から身の回りのものの消毒をしたり、ウイルスのエアロゾル化を防ぐために水洗の際に便器の蓋を閉めることも重要です(最初から最後まで無症状の人の感染リスクはまだはっきりしていません)。

もし家族内で何らかの体調不良の症状が出たら、症状出現時からでも、マスク着用・食事を一緒にとらない・別室で過ごすなどの対策を頑張っていれば、家族内感染を防げる可能性があります。

 

☆学校での感染リスクは?☆

子どもが「普段の学校生活」の中で集団感染を起こすことはほとんどなく、新型コロナウイルスの流行には影響が少ないと言われています。

しかし、マスクを外した状態(食事中など)の会話、換気の悪い閉鎖空間などで感染が拡大することはありますので、引き続き注意は必要です。

 

☆子どもの重症者はどのくらいいるの?☆

米国・英国・ イタリア・ドイツ・スペイン・フランス・韓国の7カ国で、2020年1月から5月上旬までに亡くなった子ども 13200 人の死因を調べると、

第1位:予期せぬ外傷 1056 人、

第2位:気管支炎〜肺炎 308 人、

第3位:インフルエンザ 107 人でした。

一方、新型コロナで亡くなった子どもは 44 人でした。

これから分かるように、子どもは新型コロナウイルスでの重症化リスクが低く、他の病気や怪我による死亡こそ恐れる必要があると思います。 身近な事故対策  定期接種に加えてインフルエンザワクチンなどの任意接種 は確実に打つなどの対策をしましょう。

 

 

☆感染力があるのはどんな人?☆

無症状ではいつ感染力がどのくらいあるのかは、まだ分かっていませんが、軽症者では発症後5〜7日間を過ぎれば感染力は低下してきて、10日間でほぼ無くなることがわかってきました。

PCR 検査は「ウイルスの遺伝子の断片を見つける」検査なので、「死んだウイルス(感染力が無い)」でも陽性になることがあります。

新型コロナウイルスが指定感染症に指定された当初は、いつまで他者に感染させるのかがはっきりしなかったため、PCR検査で2回陰性を確認しないと退院できない、などとされていました。しかし、PCR陰性までは重症者では3週間くらいかかります。

PCR検査に限っていえば、症状がある人と、無い人の身体で比べると、同じくらいウイルスが検出されるとか、症状がある人(軽症)の中で、大人と、乳児と、年長児を比較すると、乳児>年長児>大人の順にウイルス検出量が多いといった報告もあります。

 

子どもから家庭内感染が起きたり、クラスターが起きた例が世界的に少ないことから、やはり子どもの感染力は強くないのではないかと思います。

また、症状が無い人は咳で飛沫を飛ばさ無いので、咳を頻繁にしている人より感染力は強くなさそうですが、5分間マスクをしないで会話すると、1回分の咳と同じくらい飛沫が飛び、まわりの人に感染させることもあるので、引き続き注意は必要です。

 

☆妊婦、授乳婦はどんなことに気をつけるべき?☆

現時点では、胎内感染、母乳感染の可能性は低そうです。

まだまだ情報が不十分なため、新型コロナウイルスに感染した妊婦は帝王切開になることが多く、母乳育児をすべきかどうかも慎重に検討が必要とされています。

引き続き、出来る範囲で、感染予防対策を行いましょう。

 

☆PCR検査を受けて陰性でした。コロナじゃ無いって安心してよいですか?☆

感染したばかりの頃はPCR陰性になる事があります。感染して数日経って症状が出るころ(最も感染力も高くなるころ)から陽性になりやすいです。

そのため、PCR検査を受けて陰性でも、指示された健康観察期間は、気をつけて行動しましょう。

 

☆抗体検査はどのような特徴があるのか?☆

  1. IgM と IgG の2種類を調べることができます。感染から2週間経過してから検出されることが多いです。
  2. 感染から1ヵ月程度で、IgMは消失します。 IgG は7週を超えても陽性が持続することが現時点で確認されていますが、抗体は長期間もたない可能性もあります。
  3. 感染したことがあっても、調べた時期によっては 抗体検査陰性になる可能性があるため、有用性についてはまだ検討が必要です。

 

☆新型コロナウイルスが間接的に起こしている問題は?☆

1.ワクチン接種の差し控えが起きています。

子どもの命に関わる病気を防ぐために大切な、ワクチンを打つことは何よりも優先するべきです。ワクチンは、それぞれの月齢・年齢に応じて推奨されるタイミングで打つことで効果的に子ども達の命と健康を守るものなので、定期接種は必ず、接種時期が来たら打つようにしましょう。

なお、乳児期BCG接種が、新型コロナウイルス感染を予防している証明はされていません。一方で、BCG 接種による免疫反応で他の呼吸器感染症の発症を抑えたり、インフルエンザワクチンが効きやすくなる可能性もあると言われています。新型コロナに関係なく、BCGは接種時期がきたら打つようにしましょう。

2.学校閉鎖の影響による多彩な問題があります。

親の休業による経済的影響、親が医療従事者であった場合の医療レベルの低下による患者死亡率上昇、低所得者における栄養・生活に関する問題です。

現時点で、学校閉鎖は感染拡大防止への影響が少なそう、と推測されています。無症状者の感染力の研究をして、感染対策の方法を決めるのが今後の課題です。

3. 新型コロナウイルスとは直接関係ない、他の健康問題を引き起こしています。

世界では心筋梗塞などの緊急性の高い患者が適切な医療を受けられず死亡したり、孤独や不安感で精神的に不調となる問題が起きています。日本は国民皆保険で守られているため、症状が出たときに受診しやすい環境です。新型コロナを恐れて受診が遅れることのないようにしましょう。

 

☆最後に一言☆

まだまだ未知の部分も多いですが、だからこそ誰が正しいとか間違っているとか、正義とか悪とかではなくて、根拠のある正しい情報を知り、状況に合わせて対策を取ることが必要だと思っています。

日々研究が進んで、絶えず状況が変わっていきます。私も引き続き勉強し、発信させて頂きたいと思います。

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